概要
低レバで損切りしないEAを作ってバックテストしてみたら予想より良い結果になったので、テスト結果の一部を考察を交えて記事にしてみました。
このEAを作ろうと思ったきっかけ
FXのメジャー通貨に限って言えば通貨が消滅する可能性はほぼ無と思い、それだったらいっそのこと損切りせずに耐えてればいつかはプラスになるんじゃね?と思い、試しに作ってみました。
(細かい事を言いだすと長くなるのでサラッと言ってますが、エントリータイミングや利確ロジックなど、結構真剣に考えて作りました)
バックテスト結果
以下は各テストにおける共通事項です。
・環境:MetaQuotesのデモ環境。
・期間:2016/1/1~2020/12/31の5年間。
・初期証拠金:1,000,000円。
・証拠金のレバレッジ:25倍。
・通貨:USDJPY。
①最大レバレッジ約2倍でのテスト
コロナショックの暴落で証拠金不足にならないよう、まずはポジションを2倍程度のレバレッジに抑えるパラメータでテスト。結果は以下のようになりました(レポートのエキスパート名とパラメータは削除してます)。
バックテストは終了時にポジションが強制的に決済されるため、含み損のポジションがあると勝率は100%にならず、損失もでてしまいますが、結果は5年で200,000円程度の利益となりました。
グラフを見ればわかりますが、損切りをしないのでコロナショックのような一時的な暴騰暴落より、2016年のような長期的なトレンドの方が大ダメージを受けます。
②最大レバレッジ約4倍でのテスト
レバ2倍でのドローダウンが180,000円程度だったので、ロジック的に多分大丈夫であろうレバ4倍になるパラメータでテスト。結果は以下のようになりました。
グラフの傾きはほぼ同じで利益/損失共におよそ2倍近い数値となりました。
③最大レバレッジ約8倍でのテスト
ドローダウン的にまだまだ余裕があるので再度パラメータを調整してレバ8倍でテスト。結果は以下の通り。無事想定範囲内の結果となりました。
パラメータを微調整すれば利益1,000,000円を超える事も可能でしたが、実運用するなら相場変動を考慮してこの設定がギリギリセーフのラインかなと思います。
考察/結論/感想
最初は半分ノリで作り始めたEAですが、デバッグしているうちに「これ結構イイんじゃね?」と思うようになり、結局時間をかけてガッツリと作り込んだものになってしまいましたが、今の相場環境と5年で資産約1.8倍というバックテストの結果を踏まえると十分実用的であると判断し、テスト時の証拠金より少ない金額ですが最大レバ8倍の設定で本稼働させました。
ちなみに、画像は掲載していませんがこの設定だと2008年のリーマンショックや2011年の円高相場には耐えられませんでした。パラメータ次第で耐える事も可能ですが、それだと極端に利益が少なくなるためリスクを承知でこの設定で動かし、危険を感じたら手動で損切りする運用としています(損切りできるか不安ですが・・・)。
また、損切りをしないという性質から、このEAに関しては証拠金維持率で有利な海外ブローカーでの運用が向いています。海外=ハイレバが売りの1つですが、別にハイレバでやらなきゃダメってわけではありません。長期目線の低レバ運用で資産を増やす戦略もありかと思います。
という事で、FXにおける損切りしないトレードは証拠金に対して低ロットかつ年単位の目線でコツコツ稼ぐ戦略なら、個人的には十分有効な手法だと思います。ただ、裁量でやるとエントリーや利確のタイミングで迷いが生じるので、やるなら自動売買が前提だと考えます。
プログラムのロジックは秘密ですが、MQLがわかる方であれば本稿を参考に色々と試してみる価値はあるかと思います。
以上になりますが、今回の記事がどなたかのお役に立てば幸いです。