サラリーマン日誌:意外と知らない役職の境界線

雑記
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概要

「専務」と聞くとなんとなく偉い人ってイメージを持つ人が多いと思いますが、「専務」の他に「専務執行役員」や「取締役専務」等、「専務」の前後に仰々しい文言が付く場合があります。一体何が違うのか?どれが一番偉いのか?検索しても会社法がどうのこうのとか難しい話がでてきてよくわからない。そんな人のためにざっくりですがわかりやすく説明してみましたので、ご一読頂ければと思います。

使用者と労働者

規模に関わらず一般的な日本企業のほぼ全ての組織は「使用者」と「労働者」で構成されています。「使用者」は会社の運営方針を決めたり、必要に応じて労働者を雇って仕事をさせて給料を支払う人達。「労働者」は自身の労働力を提供する事により、その対価として給料を受け取る人達。比率で言うと90%以上は労働者だと思います。賃上げ交渉のニュースなどで「労使間での合意が~」などと言われたりしますが、「労使」の「労」は労働者、「使」は使用者を指します。
使用者と労働者では立場が大きく異なり、使用者は労働者に指示(命令)を出せますが、逆はできません。社内での普段の会話でそこまで意識する事は少ないですが、そこには目に見えない絶対的な境界線があります。

では一体誰が「使用者」なのか?

使用者であるかどうかを判別する方法の一つとして役職名があります。役職名に「取締役」が付いている人は確実に使用者側の人間です。
「代表取締役社長」「専務取締役」「常務取締役」「社外取締役」「取締役」は全部使用者側の人達です。会社にとって重要な事は全てこの人達が決定します。発言力のある部長であろうが、勤続年数が長いお局様であろうが、取締役以外の人に会社運営(経営)の決定権はありません。

上記を踏まえた「専務」「専務執行役員」「専務取締役」の違い

「取締役」かどうかで雲泥の差があるため、偉さ順で言うと「専務取締役」>>>>「専務執行役員」≒「専務」くらいの違いがあります。
「取締役」はガチャで言うならSSRランク、それ以外はAランク以下の有象無象といっても過言ではありません。「専務執行役員」と「専務」は「取締役」が付かないので、上位ランクの労働者といったところです。
もちろん専務と言う役職柄、業務上のさまざまな権限を与えられたり、その責任に伴う高い給料を貰ってたりしますが、労働者という観点では本部長、事業部長、部長、課長、謎役職、役職無しと同じです。結局、専務だろうが平社員だろうが「労働者」という枠の中で競ってランク付けされてるだけで、それらを給与や権限に差を付けながらうまく操っているのが使用者(取締役)と言うことです。

「取締役」より上の存在

中世で例えるなら貴族階級と言っても過言ではない取締役ですが、実はその上の皇族レベルの存在がいます。

①株主

取締役は株主に頭があがりません。なぜなら、取締役は株主の承認を得て会社の経営を行っているため、「株主の皆様に選んで頂いたので、精一杯頑張ります」という立場だからです。
じゃーその株主って誰よ?ってなりますが、その会社の株を1株以上持っている人全員です。上場企業なら株式公開していますので、ネット証券会社を通せば個人購入で簡単に株主になれます。年に一度の株主総会で取締役を選任しますので、実際の雰囲気を体験してみたい人は株を購入してみるのもよいかもしれません。ただ、実際には取締役も株を保有しており、保有株数=発言権の強さなので、ちょっとの株だけで会社の方針を変える事は実際には不可能です。非上場企業(主に中小企業)の株は簡単に買えませんので、株主になるのは諦めた方が良いです。

②会長

企業成長に多大なる貢献をした社長が、その座を退いた後に就いたりします。名目上は経営に直接口を出さないという場合が多いですが、大量の株を保有していたり、同族経営で影響力を持った人物だと、なんだかんだ経営に口を出してきます。また、極悪企業だと責任逃れのためにあえて社長の座を退き、自分の命令に従順で操りやすい人物を社長に就けて、会長の座に君臨しながら会社を運営している場合もあります。(証明するのは難しいですが、そういう会社の中にいると肌で感じる事があります。ほぼ間違いなくブラックなので、察したらさっさと辞める事をお勧めします)

ところで取締役って優秀なの?

ほとんどの場合すごく優秀です。対局を見極める能力や先見の明があるため、業績が伸びてる会社で長く取締役の座に居る人ほど優秀だと思います(社長じゃなくてもね)。そもそもある程度の規模の会社であれば、他の取締役や株主から「この人なら会社の運営を任せても良い」と認められた人達なので、少なくとも無能ではないです。逆に無能な取締役はすぐに解任されるので(特に欧米企業)、優秀な人しか残りません。ただし、人格者であるとは限りませんので、根拠なく信用して頼りすぎるのは辞めた方がよいでしょう。また、子会社や合弁会社を設立する際、資本の関係で出資する会社から取締役を選任しなければならない場合があり、業種の異なる会社から取締役として出向してくる人もいます。こういう人が優秀かと言われると、正直微妙な場合があるのでそこは注意です。

最後に

ここまで読んで頂き、「うちの会社、風通し良くて普段から取締役と気軽に意見交換してるよ」「役職関係なくフラットな感じで話せるから居心地いいよ」と思った方、そんなあなたは希少な優良ホワイト企業に勤めてる可能性が非常に高いです。多少の不満はあると思いますが、安易に転職を考えず今のところでもう少し耐えてみる事をお勧めします。

以上になりますが、今回の記事がどなたかのお役に立てば幸いです。

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