はじめに
17スコーピオンBFSに続き、15クラドのメンテナンスを行いました。購入してから3年以上経ちますが、釣りスタイルの変化に伴い年々使用頻度は低下、昨年は1度しか使用しませんでした。今年も出番は少ないと思いますが、道具としてのコンディションは良い状態にしておきたいので、分解洗浄からグリスアップまでを行いました。ちなみにこのリールを分解するのは初めてです。
分解
ハンドル部にあるネジを外し、リテーナーを取ります。
ハンドルを固定している10mmのナットを外します。逆ネジになっているので時計回りに回すと緩みます。
ハンドルを取り外し、スタードラグを固定ナットと一緒に時計回りに回して外します。画像の左2つのワッシャーは取り付けの向きが決まっていますので、組み立ての際には注意が必要です。
スプールを外します。ロックをOPEN方向にスライドさせ、カバーを外して引っこ抜くだけです。
ハンドル側のカバーを外します。4つのネジで留まっていますので、まずは下記の3つを外します。ネジの長さは3本とも同じでした。
裏側から残りの1本を外します。
カバーを外します。使用頻度が少ないせいか汚れも少なく綺麗です。グリスはほんの少ししか塗布されていませんでした(こんなもんで十分って事でしょうか)。
ドライブギア周りを外します。
ピニオンギアを外します。取り外したピンクのパーツ(クラッチヨーク)は向きが決まっているので、組み立ての際には注意が必要です。
ドライブギア軸を外します。2本のネジで留まっています。
ドライブキア軸を外したら底のEリングを外し、細かい部品までバラします。
2本のネジを外し、クラッチ周りのパーツを外します。バネでテンションが掛かっているので、慎重に取り外します。
Eリングを外し、ブレーキユニットを取り外します。
クラッチレバーとプレートを留めているネジを外します。
2本のネジを緩めて本体シートを取り外し、反対側からベアリングを押し出すように外します。
下記のネジを緩め、レベルワインドガードを取り外します。
レベルワインド受けを外し、ウォームシャフトピンを抜きます。
Eリングを外し、ウォームシャフト周りの部品を全て分解します。
本体に取り付けられている部品を全て外した状態です。
次はブレーキユニットです。ここにはグリスが塗られておらず汚れも無いので分解の必要はありませんが、好奇心から取り外してみました。
バラした状態。ここまで分解しなくてもベアリングは外せます。また、黄色の部分はブレーキの利きを調整するダイヤルなのですが、とても固くストレスを感じていたのでほんの少しネジを緩めました(かなり動かしやすくなりました)。
メカニカルブレーキ側のベアリングを外します。だいぶ前に購入したオープンベアリングが余っているのを思い出したので、今後のメンテのしやすさを考えてスプール軸受けのベアリングを交換します。
洗浄
取り外した部品をパーツクリーナーで洗浄します。パーツクリーナーには特にこだわりはありません。ホームセンターで安売りしている300円くらいのものを使用しています。
組み立て
今回取り付けるスプール軸受けのベアリングです。ミネベアのミニチュアベアリングで、正確な値段は忘れましたが1個300円しないくらいだったと思います。オープンベアリング化により今後の注油が楽になります。
今回使用したオイルはWAKO’Sの「フッソオイル105」。これ、高いです。3,500円くらいします。元々は車のレザーシートカバーやワイパーのメンテナンスに使う目的で購入したものになりますが、潤滑性があるのでリールのギア部に使えるかどうか試してみます(PEのコーティングに使用している方はいるようです)。実験的な意味合いもあるので、グリスは一切使わずあらゆる部分にこれを吹きかけました。
ドライブギアまで組み立てた状態。オイルはスプレータイプなのでパーツに吹きかけてから取り付けました。ギア類はもちろんの事、ベアリングやドラグ座金、プレート類にも吹きかけてます。
カバー、ハンドル、スプールを取り付けて完了。巻き心地ですが、気持ち滑らかになった感じがします。あとは耐久性含めて実際に使ってみてどうかですね。サラサラしたオイルなので流れ落ちてしまわないか少々不安です。
工具
使用した工具はこちらです。